20.不動産屋と農家

不動産

 

所有している不動産で収入を得ている「不動産オーナー」。

アパートやマンション・駐車場とか持ってる人たちですね。

 

こんなこと言うのもアレですが、不動産屋としては店頭に来て下さるお客様よりオーナー様、つまり売主・貸主を大切にしないとやっていけません。

売る・貸す商品がなければ商売になりませんもんね。

買う人・借りる人がいない場合もそれはそれでマズいですが、先に立つのは商品です。

 

もちろん、不動産屋は買い手・借り手と売り手・借り手を仲介するのが仕事なんで、2者間の売買・貸借、どちら側にも公平になるようにするべきです!

 

建前では。

 

ケースバイケースではありますが、不動産屋の想いが供給者と消費者が公平と言えるかなぁと思うのは売買案件でしょうか。

 

賃貸案件は完全にオーナー寄りです。

 

 

 

 

そんな不動産屋の心をつかんで離さないのが”不動産オーナー”です。

オーナーさんは不動産収入のみで生計を立ててるわけではなくて、別に本業をお持ちの方も少なくありません。

 

 

①不動産オーナーは農家が多い

 

 

ところでオーナーさんも色んな方がいらっしゃいますし、職業形態も多種多様です。

そんな不動産オーナーの職業で1番多いのは何かわかりますか?

 

パッと思いつけた人、すごいです!

筆者はその昔、当時勤めていた不動産屋の上司から同じことを聞かれて答えられませんでした。

 

答えは、そう「農家」。

 

思いっきりタイトルに出てますけどね。

 

農家さんは要するに地主ですから。

農業なんて専業だとハンパな土地面積ではできません。

 

そんな広々とした土地に、ご先祖様から受け継いできた大切な土地に、どーんとマンションとかアパートを建ててるわけです。

筆者もそんな広大な土地を受け継がせてくれるご先祖様が欲しかった。

 

「児孫の為に美田を買わず」とか言ってた人もいるみたいですが、買えるもんなら買っといてほしいですよね!?

 

 

②賃貸屋はオーナー巡回が大事

 

 

で、特に賃貸に力を入れてる不動産屋は毎日毎日オーナー巡りをするんですけど、ダルかったですね。

暑かろうが寒かろうが雨降ってようがひたすら巡ります。

特に雨の日は年中無休の農家さんが在宅されてる可能性が高いので積極的に回ってました。

台風の時なんかはさすがに巡りませんけどね。先方にも迷惑なんで。

 

 

 

 

筆者の昔の勤め先では担当エリアに300件ぐらいオーナーさんがいて大体1ヶ月ぐらいで回ってましたね。

 

1日10件ペース?

いやいや月間30日出勤してたわけじゃないですし、オーナー巡り以外にも色々と仕事はあるので1日当たり20~30件ぐらい回ってましたよ。

 

朝の10時ぐらいから夕方6時ぐらいまで。

自分は銀行か保険屋にでも勤めているんだろうかってぐらい回りましたね。

 

 

③オーナーさんを巡る理由

 

 

そんなにオーナーに会って何してるかって?

 

「新規開拓」と「囲い込み」です。

不動産屋に限らず、これはけっこうどの業種でもやりますよね。

 

”新規開拓”と一口に言っても「ある程度出来上がってる」のか「全くこれからなのか」と訪問先にも色々あります。

ドラクエちっくに言うと、レベルがあって訪問先のオーナーさんがその不動産屋とどのくらいの「距離」かで違ってきます。

 

距離Lv.1

ホント初めてのオーナーさん。

まずはご挨拶を済ませ、「よろしければあなたがお持ちの不動産、うちでもお客さん紹介させてください」とか言います。

 

距離Lv.5

所有してる物件の売り・貸しを任せてくれてるオーナーさん。

ただ当社のみではなく他社ともお付き合いされてる状態です。

 

距離Lv.20

物件管理を一社単独で任せてくださってるオーナーさん。

このレベルのオーナーさんを何人か自分で開拓して担当していればいつでも転職できます

ドラクエ的な意味でね?

”ドラゴンクエスト”ってゲームで、レベルが20になったら転職できるんですよ。

・・・まぁ、実際にも可能でしょうが。

 

距離Lv.40

一括借り上げさせてくれるオーナーさん。

アパートメーカーの宣伝で「30年家賃保証のサブリース」とか言ってるの聞いたことありますか?

あれです。

 

まだまだ成長の余地もあるでしょうが、ここまで来たらお付き合いレベルとしては十分かな?

裏ボスまで倒したいって人は不十分ですけど。

 

サブリースなんてのはもうオーナーが不動産屋に賃貸経営を丸投げってことですもん。

その気になれば売ってもらうこともできるでしょうね。

売るか貸すかはどっちが旨味があるかで決めます。

もちろんオーナーさんにとってね!?

 

そして自分のお客さんが、複数人このレベルまで育つとクリアできます

ドラクエ的な意味でね??

”ドラゴンクエスト”ってレベルが40ぐらいになるとクリアできるんですよ!

クリア・・何を以てクリアというかは・・・・

 

 

はい!こんな感じで”新規開拓”してお客様との距離をどんどん縮めていきます。

途中の溢れんばかりの独立願望には目をつむってください。

不動産屋の勤めなんて本当にアホらしいですもん。

自分が開拓したお客さんから生まれた利益の一体何%が従業員に還元され・・・

 

 

まー、そんなふうに”新規開拓”を行いまして、それと並行して”囲い込み”も行います。

 

せっかく時間をかけてレベルを上げたお客様を他社に取られてしまうなんて状態になってしまっては目も当てれません。

 

定期的に訪問・連絡を行いまして、用事が無くても「ちょっとこの辺り回ってたのでご挨拶にお寄りしました(大ウソ)!」とかやってました。

不動産屋じゃなくても外回り営業や訪問販売系は当時、大体やってましたね!

 

人付き合いには単純接触効果というものがありますから。

定期的に顔見せするだけでも距離は縮まります。

 

それでも、どうしても他社にお客さんを取られるときは取られます。

 

取られる理由は様々ですが、個人的に1番最悪な取られ方がオーナーさんとしばらく連絡を取ってなくて、その間に他社にお客さんを横取りされることですね。

これは自分の怠慢が起因して起こることですのでやっぱりキツいです(-“-)

 

 

④農家は大口のオーナー様!

 

そんな大事な大事なオーナー様。

色んなオーナー様いらっしゃいますけど、農家さんはやっぱ特に大切です!

 

土地持ちなんで所有している物件数が多いというのも理由の1つですね。

何十件も敷地内に借家を建てている方もいれば、100室越えのマンションを所有している方もいらっしゃいます。

 

不動産屋からしたら、管理させてもらえれば管理料だけでも結構な額になりますし、入退去のタイミングでほぼ確実にリフォームの仕事がもらえます。

 

でも農家のオーナーが大事なのは、それだけではなくて農家同士のネットワークがあるんですよ!

 

農家Aさんと農家Bさんが親戚だったり、AさんとCさんが自治会の組合員同士だったり、Aさんがマンションを建てた理由がDさんの勧めだったりと、農家同士で繋がってるんですね。

 

そこは狭いコミュニティ、昔からの知り合い同士だらけです。

本当、普通に知り合いだらけ、下手すりゃ3~4世代ぐるみ家同士のお付き合いがあったりします。

(逆に仲悪かったりもするので、そこらへんは手探りで慎重にいきます。気長に世間話してたら誰が誰を気に入ってて、誰を嫌いかぐらいすぐにわかってきます。)

 

そうするとどうなるか、上のAさんの例でいうとAさんに取り入ることに成功するとBさん・Cさん・Dさんを紹介してくれたりします。

Bさん達もAさんの紹介ということで触りの信用度は抜群です。

皆さんも業者や店員さんより、家族や友人・知人の言うことを信用しませんか?

それと同じです。

 

で、Bさん達も不動産オーナーである確率も高いのでオーナーであればその不動産を狙っても良いですが、オーナーでなくても、余ってる土地を売りたいやらアパート建築を考えているやら子供の家を建てる土地を探しているやらの案件獲得に繋がるんです。

 

わかりやすく言うと普通のオーナーさんはメラですが、農家さんはギラやバギ、場合によってはイオです。

(わかってくれる人だけわかってくれればそれでいい!分からない人は無視して!!)

 

こんな感じで本当に農家さんは不動産屋にとってありがたい存在です。

 

日本の有り余る山林なんか伐採して農地を増やしてほしいです。

誰かそれやろうとして予算的に全然無理でポシャったんでしたっけ。

田中角栄か?

 

国策でもっと農業推進してほしいですね~。

筆者は農業なんてしませんけど。

低賃金に喘いでいる人やニートとかを農業従事者になれるような政策してください。

需要有りそうですがどうなんでしょう?

 

以上、農家さんは大切な不動産オーナーなんですよというお話でした!

 

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