こんにちは。
すごく面白かった漫画があるので紹介していきます!
前にハマっていた漫画でして、知らないうちに完結してたので、このあいだ全巻大人買いして一気読みしました。
その漫画は「左ききのエレン リメイク版」。
“リメイク版”と“原作版”があるみたいで原作版は未読です。
今回はリメイク版について。
作品概要
タイトル:左ききのエレン
原作:かっぴー
漫画:nifuni
2017年~2022年の間、少年ジャンプ+(集英社)で連載。全24巻完結済み。
「ジャンププラス」というのが良くわからないんですけど、「週刊少年ジャンプ」のアプリ版?漫画雑誌じゃなくてウェブ上で連載してたんでしょうか?
紙媒体のコミックス、本屋に置いてましたけどね。
連載形態がわかりませんが商業で5年も続いてるあたり人気あったんでしょうか。
テレビドラマにもなったみたいですし。
キャッチコピーは「天才になれなかった全ての人へ」。
いきなりインパクトのあるコピーですが、本作の一番重要な言葉として全編を通して、作中にもちょいちょい出てきます。
ストーリー
基本的には誰もが認める天才、”山岸(やまぎし)エレン”と、こちらも自他共に認める凡才、”朝倉光一(あさくらこういち)”がお互いを意識しながら、作品を生み出していくという内容。
話の経過が少し変わっていまして、主人公、朝倉とそのライバル、山岸を中心に2人の学生時代から朝倉の社会人時代と山岸のアーティスト時代の約40年(メインというか尺が長いのは20~30台の10年ぐらい)を編ごとにバラバラの時系列で描いています。
映画好きな人には「“バックトゥザフューチャー”や“X―MEN”、“パルプフィクション”みたいな」と言えばわかりやすいでしょうか?
さて、繰り返しになりますが、「朝倉光一」が主人公です。
公式設定上はどうなのかは知りませんが、筆者はこの漫画を読んでそう思いました。
タイトルのエレンさんは主人公ではありません。
「ドラえもん」の主人公は“ドラえもん”ではなく、「AKIRA」の主人公が“アキラ”ではないように、「左ききのエレン」の主人公もまた、“エレン”ではありません。
1巻の表紙は山岸ですけどね。
2巻は朝倉。
で、大雑把なストーリー。
広告代理店に勤め、いつかキラキラ系男子になりたい「朝倉光一」は、毎日の激務に忙殺されつつも一生懸命に仕事に励んでいました。
しかし、仕事でのある出来事をきっかけに打ちのめされてしまいます。
そんな朝倉が傷心で意識朦朧としている中、思い出したのは10年前の高校時代に強烈な印象を受けた「天才」のことでした。
そう、「山岸エレン」ですね。左ききの。
ここから舞台は朝倉と山岸の高校時代へと移り、以降、2人の半生が描写されていきます。
お勧めポイント
とにかく仕事や勉強のモチベーションになります!
仕事や勉強ってどう言いつくろっても、やっぱりダルいじゃないですか。
イマイチやる気が起きない時に読んでみてください。
やる気になれるかも。
朝倉のエピソードは多分、作者かその周りの実体験を基にしていると思われます。
ある程度、リアルに広告代理店の仕事の描写がされていて、広告業じゃなくても、アートがわからなくても、こういう気持ちあるなあ、わかるなあと、ついつい主人公に共感してしまいます。
仕事でも勉強でも趣味でも家事育児でも、何でもいいんですけど、イマイチやる気が起こらない時に、ただただ夢中で頑張る主人公にやる気をもらえます!
後は、わざとそういう描写にしているんでしょうけど、主人公が幼すぎて気恥ずかしくなります。
行動や発言が筆者も身に覚えのある共感性羞恥の連続。
終盤、ある登場人物がダイレクトにそれを指摘しています。
そんなところも含めて作中に入りこみやすくて、本当におススメの一作です。
感想
さて、筆者はこの漫画をネット広告で知りまして、その時は1巻か2巻分、無料で読めたんですが、序盤から一気に引き込まれましたね。
というのは、電子書籍で購入しまして、その時、購入の参考にしたレビューに、「最初はつまらない、だんだん面白くなっていく」っていうようなコメントがいくつかあって。
そのレビューを踏まえて読んでみたところ、
えっ( ゚д゚)てなりましたもんね。
・・逆じゃない?(; ・`д・´)って。
筆者は広告代理店に勤めたことも天才と交流を持ったこともありませんが、まず、冒頭の朝倉の状況や心情にすごく共感しました。
ありていに言うと「わかるー」っていうやつです。
メチャメチャわかりましたね。
・ギリギリの仕事に追われる緊張感
・終わったと思ったら息つく間もなく次の仕事が飛んでくる
・自己評価とは、かけ離れた他人からの低評価、等々・・
もう何より自分の無力さに絶望する。
・・・全てがよくわかりました。
ほとんどの人がわかるんじゃないでしょうか。こういう気持ち。
まあ、学生さんとか社会経験が少ない人には想像しにくいかな?
そんなこともないと思うんですよね。
生きていれば、誰にでもこういう経験あると思いますもん。
小学生でもありますよ。
主人公に自己投影できる作品って本当に面白いですよね。
ただ、筆者はレビューとは逆に序盤こそ面白かったんですけど、中盤?序盤の終わり??あたりから、この漫画がつまらなくなって途中で1度、買うのをやめました。
他にも筆者が興味を惹かれたレビューがありまして。
割と多かった意見ですけど、「エレンが物語の中心にいる話はつまらない」というもの。
わかる!
全力でわかる。
レビューを書いた皆さんが実際どういう気持ちで書いたのかは知る由もありませんが、筆者はこの意見に賛成です。
本作は朝倉と山岸、それぞれ章ごとに主役が入れ替わる構成なんですけれども、筆者個人の意見としては、山岸エレンが中心となって動く話はつまらなかったです。
この作品「才能」をテーマにしているだけあって、途中からはちょっと異常な登場人物がどんどん出てくるんですよね。
山岸が無上の天才設定であるが故に相手もスーパー天才設定の化け物なんですよね。
その人たちが(現実にそんな人間いるわけないだろ(=_=))と、冷めてしまうほど異常な描写でして。
いや、マンガ、物語として個性的なキャラクターを登場させるのは当然ですし、わかりやすい特徴があること自体は筆者も良いことだと思ってるんですよ?
例えば「鬼滅の刃」で人外の天才同士が生死を懸けて死闘を繰り広げるのは良いですよ?
「鉄腕アトム」がジェット噴射で自在に空を飛んでも、「巨人の星」に消える魔球が出ても、「ドラゴンボール」で地球を破壊しても、「現実にそんなことあるわけないだろ」なんて寂しいこと思いませんよ?
むしろ「うぉぉ」Σ(゚Д゚)って感じです!
でも「左ききのエレン」の「天才」たちは画家とかモデルとか実業家とかカメラマンなんですよ。
そういう人たちは一般的に腕がゴムになって自分の30倍ぐらいありそうな敵を殴り倒したり、一子相伝の暗殺拳を使って他人を爆発させたりできないと思うんですよね。
そんな人たちがオーラ全開で、バトル漫画の強キャラみたいな雰囲気とセリフで超能力を繰り出していたら、違和感ないですか?
現実的にあり得ないですもん。そんな状況。
モデルがちょっとランウェイ歩いたら集中力使いすぎて倒れるとか。
緊張して過呼吸でとかならまだわかるけど。
カメラマンがちょっと人間観察したら大勢の群衆の職業がわかるとか。
シャーロックホームズかよ。
ほぼ初心者がダーツをやって、集中力がすごいからというだけで百発百中で的に当てたり。
ダーツって体幹やフォームとかも大事な要素なのでは?
そういうのって多分、集中力も大事でしょうけど反復練習がものを言いますよね??
ダーツやったことないんで知りませんが。
「集中力」は全てのネックを凌駕するのか??
ちなみに「集中力」は「才能」に並列する本作の重要ワードです。
筆者が知らないだけで本作登場人物の元ネタになった実在超人の類似エピソードでもあるんでしょうかねー?
とにかくこういう描写の連続で、ついていけなくなり、一回読むのを止めましたね。
で、こういう超能力者たちが登場するのは山岸エレンの競争相手としてなんで「エレンが出てくるとつまらない」という意見には全面的に同意します。
マンガの世界に入っていけなくて冷めるんですよね。
要は「世界観」なんですよ。
「左ききのエレン」って現代劇で、実在の人名・地名や、現実に起こった出来事とかもバンバン出てくるんですよね。
だったら登場人物も(あー、こんな人いそう)ってリアリティが欲しかったんです。
山岸が主役になっている章は、筆者がこの漫画に求めていたものではなかったですね。
目黒広告社を舞台にした朝倉の話が好きです。
「天才」とは何かを考えてしまいますわ。
一応、作中でその答えは出てきますけど、筆者は全然納得できなかったです。笑
まあグダグダ言ってますが結局、作者や発行元の思い通り、全巻買ってしまっているので、感想としては「面白かった!!」ですね。
天才になれなかったあなたにも、なれたあなたにもおススメの一作です!
他にも登場人物紹介や考察を書きたかったんですが、長くなったので続きます。
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